2026年9月4日 金曜日
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無料AIツールだけで動画は作れるか──工程を棚卸ししたら、有料なのは1箇所だけだった

自分の動画制作フロー(VOICEVOX・Pillow・ffmpeg)を工程ごとに無料/有料で棚卸しし、唯一有料だった動画生成AIの部分に、無料で使える代替(Google Flow・Veo 3.1)があるか2026年8月27日に確認した。無料プランにはVeo 3.1へのアクセスがあったが、目に見える透かしの条件はWhiskとFlowで公式FAQの書き方が違い、無料プラン自体への適用は文書上断定できなかった。

無料AIツールだけで動画は作れるか──工程を棚卸ししたら、有料なのは1箇所だけだった
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私は普段、動画の台本チェックにAIを使い、ナレーションはVOICEVOX、テロップはPillow、動画としての結合はffmpegで組み立てている。この3つはもともと無料・オープンソースのツールだ。有料なのは、素材となる動画そのものを作る「動画生成AI」の部分だけで、ここは普段Higgsfieldなどの有料サービスを使っている。今回、この有料の1箇所に無料の代替があるかを、2026年8月27日に公式ページで確認した。

  • 自分の制作フローをすでに無料/有料で棚卸しすると、有料なのは動画生成AIの部分だけだった。ナレーション・テロップ・結合は元から無料ツール
  • Google Flowの無料プラン(課金なし)には、Veo 3.1を含む動画生成ツールへのアクセスが「毎日50 Google Flowクレジット」つきである
  • ただし目に見える透かしの条件はツールによって書き方が違う。Whiskは「Animate動画」単位、Flowは「Google AI Pro/Ultra」というプラン単位で線引きされており、今回の無料プランへの適用は公式FAQの文言だけでは断定できなかった

工程を棚卸しすると、有料なのは1箇所だけだった

まず自分の制作フローを工程ごとに並べてみた。

  • 台本チェック(AI):Claude/有料
  • ナレーション:VOICEVOX/無料
  • テロップ:Pillow(Pythonの画像処理ライブラリ)/無料
  • 動画としての結合:ffmpeg/無料
  • 素材となる動画そのものの生成:Higgsfieldなど/有料

VOICEVOXの公式サイトには、料金についてこう明記されている。

商用・非商用問わず無料 (※1) ... ※1 詳しくは各キャラクターの利用規約をご参照ください

無料と一言で言っても、キャラクターごとの利用規約は個別に確認が必要という注記つきだ。Pillow・ffmpegはどちらもオープンソースのソフトウェアで、こちらも料金は発生しない。つまり「無料AIツールだけで動画を作れるか」という問いは、自分の場合すでに答えの大部分が出ていて、残る論点は「動画生成AIの部分だけ、無料で置き換えられるか」に絞られる。

動画生成AIの無料枠を確認する

Googleが提供するGoogle Flow(Google Labsのツール)の公式ページには、料金プランの比較表があった。課金なしのプランの内容は次の通りだ。

名称:Google AI サブスクリプションなし 料金:追加料金なし 目安:毎日 50 Google Flow クレジット

含まれる機能として、Gemini Omni Flash、Nano Banana Pro、Veo 3.1、Google Flowツール(使用のみ)、エージェント、テキストから動画を作成、フレームから動画を作成、動画素材、動画拡張機能、動画から動画への編集、Scenebuilder、2K画像アップスケーリング、キャラクター、アバターが挙げられている。有料のPlus(月額プラン)で追加されるのは「Google Flowツール(作成)」「1080p動画アップスケーリング」「画像生成の上限引き上げ」などで、無料プランはあくまで「使用のみ」という制限つきだった。この「使用のみ」と「作成」の違いが具体的に何を指すかは、公式ページの文言だけでは断定できなかった。

もう一つ、Google Labsの姉妹ツールであるWhisk(画像を動画にする機能)にも無料枠の記載があった。

生成された画像を Veo 2 で短い動画に変換します。1 か月に 10 回まで無料でお試しいただけます。

Whisk ユーザーは、毎月 10 本の動画を無料で生成できます。この上限は毎月リセットされます。

Veo 3.1(Google Flow)とVeo 2(Whisk)で世代が違い、無料枠の単位も「1日50クレジット」と「1か月10本」で別建てになっている。同じGoogleの動画生成AIでも、どのツール経由で使うかによって無料の条件が変わる点は、実際に公式ページを開くまで分からなかった。

1回の動画生成に何クレジット消費するかは、公式ページの表面上のFAQ文言には出てこなかった。ただしページのソースに埋め込まれているUI表示用の文言データ(アプリ内のボタン・トースト通知などに使われる翻訳テキスト)を確認したところ、いくつか具体的な数字が見つかった。

英語版ページの内部データには、プランごとの価格と「Google Flowクレジット」の月間・日次付与量が次のように書かれていた。

プラン 料金 Google Flowクレジット
Google AIサブスクリプションなし(無料) 無料 毎日50クレジット
Google AI Plus $4.99/月 月200クレジット
Google AI Pro $19.99/月 月1,000クレジット
Google AI Ultra $249.99/月(表示揺れあり、詳細は後述) 月25,000クレジット

さらに別の文言には「Create with AI credits (10 per video generation). Your G1 plan still includes up to 100 videos!」(AIクレジットで作成 - 動画生成1回につき10クレジット。G1プランなら引き続き最大100本の動画が含まれる)という記述もあった。ただしこれは「Google Flowクレジット」とは別に見える「AIクレジット」という単位についての説明で、かつ「G1プラン」という、記事内の料金比較表(無料/Plus/Pro/Ultra)には出てこない名称のプランに言及している。この「AIクレジット」と「Google Flowクレジット」が同じものなのか、別会計の課金単位なのかは、今回確認した範囲のテキストだけでは断定できなかった。

透かしという、無料の代償──ただしWhiskとFlowで条件の書き方が違った

Google LabsのFAQには、生成コンテンツへの透かしについて、Whisk向けとFlow向けで別々の回答が用意されていた。まずWhisk向けの回答。

Veo や Imagen を使用して Whisk で生成されるすべての出力には、SynthID の目に見えない透かしが入れられます。SynthID は、デジタル透かしを直接埋め込むことで AI 生成コンテンツを識別します。AI 生成コンテンツの識別をさらに容易にするため、Whisk で生成された Animate 動画には、Veo で作成されたコンテンツであることを示す目に見える透かしが入れられます。

そしてFlow向けの回答は、条件の線引きが違う。

Veo や Imagen を使用して Flow で生成されるすべての出力には、SynthID の目に見えない透かしが入れられます。SynthID は、デジタル透かしを直接埋め込むことで AI 生成コンテンツを識別します。AI 生成コンテンツの識別をさらに容易にするため、Google AI Pro ユーザーが生成した動画には、Veo で作成されたコンテンツであることを示す目に見える透かしが入れられます。Google One Ultra ユーザーが生成した動画には、この透かしは入りません。

見えない透かし(SynthID)はどちらもVeo・Imagenの出力全般につくと書かれている。だが目に見える透かしの条件は別物だ。Whisk側は「Animate動画」という機能単位で線引きされているのに対し、Flow側は「Google AI Pro」「Google One Ultra」という契約プラン単位で線引きされている。

ここで今回の本題(無料プランでの透かし)に戻ると、はっきりしないことが残る。FlowのFAQはGoogle AI ProとGoogle One Ultraの2プランしか名指ししておらず、今回確認した無料プラン(「Google AI サブスクリプションなし」、毎日50クレジット)で直接Veo 3.1を生成した場合に、目に見える透かしが入るかどうかは、この一文からは断定できない。Proユーザーには入り、その上のUltraユーザーには入らない、という序列から類推すると、Proより下にあたる無料プランにも入る可能性は高いと思われるが、これはあくまで推測であり、公式ページにその推測を裏付ける記載は無かった。無料で動画生成AIにアクセスできること自体は確認できたが、そのままYouTubeの動画に使うには、この透かしが実用上どこまで気になるかという判断が別に必要になる。

この点をさらに掘るため、ページ内部のUI文言データを確認したところ、「Visible watermarking(可視透かし)」という名前のオン/オフ切り替えトグルがアプリ内に存在することが分かった。トグルを操作すると「Watermarking enabled for your generated media(生成メディアの透かしが有効になりました)」「Watermarking disabled for your generated media(無効になりました)」という通知文言が用意されている。ただし、このトグルには「Visible watermarking is required in your region, see FAQ for further details.(お住まいの地域では可視透かしの使用が義務付けられています。詳しくはFAQをご覧ください)」という、地域によってトグルが強制的にロックされるケース向けの文言も存在した。

つまりFAQの「Proには入る、Ultraには入らない」という説明は、あくまでプラン別の**初期設定(デフォルト)**を説明したものであり、実際にはユーザー自身がオン/オフを切り替えられる設計になっている可能性がある。ただし地域によっては、この切り替え自体が強制的に無効化されるケースもあるようだ。無料プランのユーザーがこのトグル自体にアクセスできるかどうか(ボタンが表示されるか、グレーアウトしているか)は、UI文言データからだけでは判断できず、実際にログインして無料アカウントで確認しない限り分からない。

権利については、Google Labsの利用規約にこう書かれている。

この利用規約に基づき、Google の一部のサービスは、ユーザーによるオリジナル コンテンツの生成を許可しています。Google がそのコンテンツに対する所有権を主張することはありません。

Googleが所有権を主張しない、という点は明記されていたが、透かし入りの動画をそのまま商用の動画制作に使えるかどうかは別の話で、この記事の確認だけでは判断しきれなかった。

今回、実際には確認できなかったこと

今回の記事は、公式ページに書かれた料金・機能・透かしの条件を実際に開いて確認するところまでを行った。Google Flowにログインして実際に動画を1本生成し、透かしの見え方や50クレジットで何本作れるかを手元で検証するところまでは、この記事の執筆過程では行っていない。特に、無料プラン(サブスクリプションなし)でVeo 3.1を直接生成した場合に目に見える透かしが実際に入るかどうかは、公式FAQがGoogle AI Pro・Google One Ultraの2プランしか名指ししていないため文書上は確認できておらず、この記事では「入る可能性が高いが未確認」という位置づけにとどめている。無料枠だけで動画1本を最後まで組み上げられるかどうかは、条件が分かった上で、実際に自分のアカウントで試すところから先の話になる。

追加で確認した価格表・クレジット消費数についても、限界を明記しておく。

  • 価格表($4.99〜$249.99)は、ページの表面上の表示ではなく、ページのソースに埋め込まれたUI文言データ(アプリ内表示用の翻訳テキスト集)から拾ったものだ。同じデータの中にUltraプランの価格として「$249.99/月(3ヶ月分)」と「$199.99/月」という2つの異なる表記が併存しており、どちらが2026年8月27日時点の実際の請求額なのかは、この記事では判断できなかった。プロモーション条件による違いか、UIの新旧バージョンが混在しているだけなのかも不明
  • この価格はすべて米ドル建てで、日本語版ページ(/ja/)を確認した際に実際に画面へ表示される日本円建ての金額とは突き合わせていない
  • 「動画生成1回につきAIクレジット10」という数字は、「Google Flowクレジット」(毎日50付与)とは別の課金単位である可能性があり、無料プランの毎日50クレジットが実質何本の動画に相当するかを、この数字から単純計算することはできない
  • 「Visible watermarking」トグルの存在はUI文言データから確認したが、実際にこのトグルが無料プランのアカウント画面に表示されるか、表示されても操作できるかは、ログインしての実機確認をしていないため未確認のままだ動画制作の工程全体を実測した記事はこちら、ショート動画の制作工程はこちらにまとめている。

実際に触った公式ページの一覧

  • VOICEVOX 公式サイト(2026-08-27取得・「商用・非商用問わず無料」の記載)
  • Google Flow(日本語版)(2026-08-27取得・料金プラン比較表、Whiskの無料枠、WhiskとFlowそれぞれの透かしに関するFAQ、利用規約の所有権に関する記載)
  • Google Flow(英語版)(2026-08-27取得・UI文言データから価格表・クレジット消費数・可視透かしトグルの存在を確認)
  • Whisk(日本語版)(2026-08-27取得・Whiskの無料枠・透かしFAQの一次ソースとして直接確認)
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