2026年8月28日 金曜日
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検証· 約13

AIの有料プランを解約したら、作ったものはどうなるのか──残るもの・使えなくなるもの

ChatGPT・Claude・Gemini・Midjourneyの公式ドキュメントを2026年8月27日に読み、解約で消えるものと残るものを判定した。会話や生成物はプランではなくアカウントに紐づくため解約では消えないが、ChatGPTのライブラリ容量はPro 100GBに対しFree 500MBと約200倍の開きがあり、データ書き出しは申請に最大7日・リンクの有効期限は24時間しかない。

AIの有料プランを解約したら、作ったものはどうなるのか──残るもの・使えなくなるもの
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有料プランを解約した瞬間に会話や生成物が消えるという記述は、ChatGPT・Claude・Gemini・Midjourneyの公式ドキュメントのどこにもない。これらはサブスクリプションではなくアカウントに紐づいており、解約で止まるのは機能とプラン上限のほうだ。一方、期限が明確に切られているものが2つある。データの書き出し(ChatGPTは申請から到着まで最大7日、リンクは24時間で失効)と、保存容量(ChatGPTのライブラリはPro 100GB、Free 500MB)だ。この記事は各社の一次ドキュメントを2026年8月27日に取得し、「残るもの・使えなくなるもの・期限があるもの」に仕分けたものである。解約の操作手順は各社の公式ヘルプにあるので扱わない。

3行まとめ

  1. 会話・ファイル・生成物はプランではなくアカウントに紐づく。ChatGPTもClaudeも「解約後も課金期間の終わりまで有料機能を使える」とは明記しているが、その後どうなるか(下位プランへ自動移行するのか等)は公式ドキュメントに記載がなく、データ消去とは別の話になっている
  2. ChatGPTのライブラリ保存容量はFree 500MB/Go 4GB/Plus・Business 20GB/Pro 100GB。Pro→Freeは200倍の差だが、超過した状態で格下げした場合の挙動は公式に記載がない
  3. 持ち出しには期限がある。ChatGPTのエクスポートは到着まで最大7日・リンクは24時間で失効、Claudeも24時間で失効し、しかも別の個人アカウントへはインポートできない

解約と削除は別物──公式が分けて書いている

質問は「解約したら履歴は消えるのか」だが、公式ドキュメント側の区分は「解約」と「アカウント削除」に分かれている。混ざりやすいのでまず表にする。

解約(有料→無料) アカウント削除
ChatGPT 課金期間の終わりまで有料機能を利用可 チャットは即時にアカウントから消え、30日以内にシステムから完全削除(非識別化済み・法的保持を除く)。復元不可
Claude 解約は現在の課金期間末に有効。それまで有料プランを使える 保存済みチャットへのアクセスは失われ、削除は取り消せない。先に解約し、期間終了を待たないと削除できない
Gemini チャット履歴はGoogleアカウント側の「Gemini Appsアクティビティ」に保存され、サブスクとは別管理 Googleアカウントの削除に連動。利用頻度などの一部データは「アカウント削除まで保持」と記載
Midjourney いつでも解約可。当該課金期間の返金はないが、以降は課金されない 規約上、生成物の所有権は解約・格下げ後も存続すると明記

ChatGPTの解約ページは、モバイル端末のApp StoreやPlay Storeで購読した場合は「iOSまたはAndroid側の手順で解約する必要がある」と案内している。iOS課金の人はApple側の解約が先だ。なお、アカウント削除後に同じメールアドレスで登録し直すには30日待つ必要があるとOpenAIは案内している(別のメールアドレスなら即座に登録可能)。

期限が切られているのは「持ち出し」のほうだ

解約そのものより時間制約が厳しいのがエクスポートだ。

  • ChatGPTSettings > Data controls > Export data から申請。公式ヘルプは「到着まで最大7日かかることがある」「ダウンロードリンクは受信から24時間で失効する」と書いている。
  • ClaudeSettings > Privacy > Export data から申請し、メールでリンクが届く。リンクは配信から24時間で失効。「エクスポートしたデータを別の個人Claudeアカウントへインポートすることはできず、個人アカウント間の移行はサポートしない」とも書かれている。iOS・Android版からエクスポートは実行できない。

「解約日の直前に思い出してエクスポートを申請する」という順番は、ChatGPT側の最大7日と噛み合わない可能性がある。先に申請してZIPを手元に落としてから解約を確定するほうが、公式記載とは整合する。

メモリ(AIに覚えさせた設定)については、Claudeが他社サービスからのインポート導線を用意している。公式ヘルプは「他のAIサービスにメモリを一覧出力させるプロンプト」を掲載したうえで、この機能は実験的で「インポートしたメモリが常に正しく取り込まれるとは限らない」と自ら注記している。ChatGPT側のメモリ機能はChatGPTメモリ機能の使い方で整理している。

ChatGPT:会話は残るが、保存容量の上限はFreeとProで約200倍違う

見落とされやすいのがライブラリの保存容量だ。公式ヘルプの上限は次のとおり。

プラン ライブラリ保存容量
Free 500 MB
Go 4 GB
Plus / Business 20 GB
Pro 100 GB

チャットとライブラリは別管理で、「チャットを削除してもライブラリに保存されたファイルは削除されない」と明記されている。有料期間中にアップロードした資料や生成画像はチャットを消しても残る。削除したファイルは即時に一覧から消え、30日以内にシステムから削除される。

Claude:プロジェクトは無料でも残る、ただし5個まで

Claudeのプロジェクト(会話とナレッジをまとめる作業空間)は、公式ヘルプに「無料アカウントを含むすべてのユーザーが利用できる。無料ユーザーは最大5プロジェクトまで作成できる」と書かれている。有料限定として挙げられているのはRAGによるナレッジ拡張(コンテキスト上限に近づくと容量を約10倍に拡張する挙動)で、プロジェクトの存在自体ではない。

保持期間はAnthropicの記載が具体的だ。会話を削除するとチャット履歴から即時に消え、バックエンドからは30日以内に削除。モデル改善への利用を許可している場合は非識別化した形で最長5年間、学習パイプラインに保持されうる。自動システムが利用ポリシー違反として検知した入出力は最長2年、分類スコアは最長7年、フィードバック関連データは5年。設定を後からオフにしても「既に進行中の学習ランや学習済みモデルからは取り除かれない」とも書かれている。各社の学習設定比較は生成AIに個人情報を入力して大丈夫?で扱った。

Gemini:データはサブスクではなくGoogleアカウントに付いている

GeminiはAI課金と履歴の所在が分離している。Gemini Appsプライバシーハブによれば、自動削除の既定値は18か月で、3か月・36か月・無期限に変更でき、手動削除も随時可能。ただし「人によるレビューを経たチャット(および言語・端末種別・位置情報・フィードバックなどの関連データ)は、アクティビティを削除しても消えず、最長3年間保持される」と明記されている。一時チャットと「アクティビティを保存」オフ時のチャットは、72時間アカウントに保持される。

課金解約で効いてくるのはむしろ保存容量だ。Google個人アカウントの無料枠はDrive・Gmail・フォト共有で15GB。上限に達するとアップロードもメール受信もできなくなり、公式ヘルプは「保存容量の上限を2年間超過した状態が続くと、Gmail・Drive・フォトのコンテンツが削除される可能性がある」と書いている。有料ストレージを解約して無料枠に戻るとき、影響を受けるのはAI機能ではなくこちらだ。

Midjourney:所有権は解約後も残ると規約に書いてある

Midjourneyの利用規約(2026年5月27日発効版)は、生成物の権利に踏み込んで書いている数少ない例だ。

  • 「あなたが作成したアセットの所有権は、その後の月にメンバーシップを格下げまたは解約しても存続する」と明記。
  • ただし年間売上100万米ドル超の企業またはその従業員は、アセットを所有するためにProまたはMegaプランへの加入が必要。
  • 既定では生成物は公開・リミックス可能。非公開化するStealth機能はPro/Megaの範囲。
  • 一方、ユーザーがMidjourneyに与える複製・派生・公開・再許諾のライセンスは「永続的・取消不能」で、契約終了後も存続すると書かれている。

「解約しても自分の権利は残るが、Midjourney側の権利も残る」という構造だ。プラン内容はMidjourneyの使い方・料金にまとめている。

公式が答えていないこと

この記事で判定できなかった論点を、確認できた事実と分けて残しておく。

  1. 容量超過状態での格下げ:ChatGPTのライブラリ記事は「Storageボタンで上限超過かどうかを確認できる」とは書くが、Pro(100GB)からFree(500MB)へ落ちて超過した場合の扱いは記載がない。閲覧のみになるのか、削除猶予があるのかは確認できなかった。
  2. プロジェクト上限超過での格下げ:Claudeも無料の上限が5プロジェクトであることは明記されているが、6個以上ある状態で無料に戻った場合の扱いは書かれていない。
  3. 共有リンクの行方:Claudeは共有スナップショットをSettings > Privacyで一覧・解除できると案内しているが、アカウント削除時に公開済みスナップショットがどうなるかは確認できなかった。共有中のリンクがあるなら、削除前に自分で解除しておくのが確実だ。
  4. 解約は自分の判断だが、終了は相手の判断:OpenAIのヘルプには、Soraのウェブ/アプリ版が2026年4月26日に提供終了したこと、最終エクスポート期間の経過後に「Soraの利用に関連するデータを完全に削除する」ことが書かれている。解約するか否かに関わらず、サービス側が畳む可能性は残る。手元に置く発想についてはローカルLLMとは何かで別途扱っている。

出典と但し書き

本記事の記載は、2026年8月27日にOpenAI Help Center、Anthropic Privacy Center/Claude Support、Gemini Appsプライバシーハブ、Google Driveヘルプ、Midjourney利用規約の各ページを取得し、その本文から判定したものである。更新日はAnthropicの保持期間ページが2026年7月1日、Claudeのプロジェクト解説が2026年7月23日、Gemini Appsプライバシーハブが2026年8月10日、Midjourney利用規約が2026年5月27日発効。OpenAIのヘルプ記事は相対表記(「11日前更新」など)のみで絶対日付が公開されていないため、取得日を基準に読んでほしい。

料金・容量・保持期間はいずれも予告なく変更されうる。解約や削除を実行する前に、リンク先の一次ドキュメントで現在値を各自で確認することを勧める。本記事は特定の判断を推奨するものではなく、法的助言でもない。

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