2026年9月4日 金曜日
AI時短ラボ
検証· 約13

Runway Alephで生成済み動画を編集する──作り直さずに直す、video-to-videoモデルの中身

RunwayのAleph 2.0(モデルID aleph2)は、既存の動画とテキスト・画像の指示を組み合わせて再編集する「video-to-video」モデル。入力動画は30秒以内、最大5枚のタイムドキーフレームで途中経過を指定でき、ProRes・PNG連番・10bit HEVCなど編集向け出力にも対応する。API料金は1秒28クレジット($0.28相当)、1回の生成に56クレジットの最低課金がある。出力フォーマットの追加サーチャージはProRes・PNG連番が1秒5クレジット、10bit/HDR系プロファイルは1秒20クレジット(4MP超は40クレジット)と2段階。

Runway Alephで生成済み動画を編集する──作り直さずに直す、video-to-videoモデルの中身
執筆・編集:
目次

動画生成AIの多くは「新しく動画を作る」ことに特化しているが、Runwayの「Aleph」シリーズは方向性が違う。すでにある動画を、作り直さずに編集するためのモデルだ。本稿はdocs.dev.runwayml.comのAPIドキュメント(モデル一覧・料金ページ・OpenAPI仕様)を一次で確認し、Aleph 2.0(モデルIDaleph2)が実際に何をどう受け取り、何を出力するのかを整理する。

3行まとめ

  1. Aleph 2.0は「video-to-video」モデル(エンドポイント/v1/video_to_video)。30秒以内の入力動画に、テキストの指示・最大5枚のタイムドキーフレーム・出力アスペクト比の指定などを組み合わせて再編集する
  2. 出力フォーマットはmp4(既定)に加えてProRes(.mov)・PNG連番(.zip)・10bit Rec.709 HEVC(SDRグレーディング向け)に対応。追加料金はProRes・PNG連番が1秒あたり5クレジット、10bit Rec.709を含む10bit/HDR系プロファイルは1秒あたり20クレジット(出力が4メガピクセル超の場合は40クレジット)と、フォーマットによって2段階に分かれる
  3. API料金は1秒あたり28クレジット($0.28相当)で、1回の生成につき56クレジット($0.56)の最低課金がある。Gen-4.5と並んでRunwayが「フラッグシップモデル」と位置づける2つのうちの1つ

「動画を生成する」ではなく「動画を編集する」

docs.dev.runwayml.com/guides/modelsのモデル一覧ページでは、Runwayの主要モデルの入出力が一覧表になっている。多くのモデル(Gen-4.5・Seedance2・Veo3.1など)は「テキストまたは画像 → 動画」という入出力なのに対し、Aleph 2.0(aleph2)だけは「動画 + テキスト/画像 → 動画」という入出力になっている。つまり最初から「素材となる動画がある」ことを前提にしたモデルだ。

同じページには「RunwayのフラッグシップモデルであるGen-4.5とAleph 2.0は、標準的なH.264 .mp4を超えるプロフェッショナル向けフォーマットで動画を出力できる──エディトリアルワークフロー向けのProResとPNG連番、グレーディング向けの10bit SDRマスター、そしてGen-4.5では正式なHDR」という記載があり、Aleph 2.0がRunwayの中で「編集パイプラインに組み込む前提」の位置づけを与えられていることがわかる。

なお同じページには**「Aleph 2.0はネイティブのHDRを出力しない(Aleph 2.0 does not deliver native HDR)」**という明記もある。Aleph 2.0単体で選べる10bit系フォーマットはsdr_rec709_10bit(SDRグレーディング向け)のみで、hdr10hlgのような真のHDR出力はGen-4.5専用だ。ドキュメントは「AlephでHDRコンテンツが必要な場合は、SDRからHDRへの変換を挟むことができる」と補足しており、料金ページを確認すると、この変換はrubyという別モデルが担当するPOST /v1/video_to_hdrエンドポイントで行われ、料金は1秒あたり20クレジット(出力が4メガピクセル超の場合は40クレジット)だと分かった。つまりAleph 2.0でHDR相当の成果物が欲しい場合は、Aleph 2.0での編集(28クレジット/秒)に加えて、Rubyでの変換(20〜40クレジット/秒)を別料金で重ねる構成になる。

Aleph 2.0がどんな編集をするモデルなのかは、料金・APIページだけでは分からない。前身にあたる初代Aleph(2025年7月25日発表、Runway Researchのブログ記事より)の説明を確認すると、「オブジェクトの追加・削除・変換」「シーンを任意の角度から生成し直す」「スタイル・照明の変更」など、幅広い種類の編集ができる「in-context video model」と位置づけられている。Aleph 2.0固有の変更点を説明する専用の発表記事は、本記事の調査範囲では見つからなかった。

APIで指定できること

OpenAPI仕様(/v1/video_to_videoエンドポイント、aleph2のリクエストスキーマ)から確認できる主なパラメータは次の通り。

パラメータ 内容
videoUri 編集対象の入力動画。30秒以内という制約が明記されている(必須パラメータ)。HTTPS URL・Runwayアップロード・base64データURI(16MBまで)に対応
promptText 出力に何を映すかを説明する任意の文字列。1〜1,000文字
keyframes 入力動画の特定の時点に配置する「時間指定のガイド画像」。最大5枚
targetAspectRatio 拡張・アウトペイント用の目標アスペクト比。16:94:33:21:12:33:49:1621:9の8種類から選択でき、生成前に入力動画とキーフレームをレターボックス化する
outputFormat mp4(既定)・prorespng_sequencesdr_rec709_10bit(SDRグレーディング向け10bit Rec.709 HEVC)から選択
proresProfile outputFormatproresの場合のみ有効。4224444422 Proxy422 LT422 HQ4444 XQの6種類から選択でき、既定は4444
contentModeration.publicFigureThreshold auto(既定)またはlowlowに設定すると、実在の著名人と認識される人物を含む生成に対して、コンテンツモデレーションがより緩くなる
seed 結果の再現性に関わる整数シード(0〜4,294,967,295)

必須パラメータはvideoUrimodelのみで、他はすべて任意という設計になっている。「動画を渡すだけでも動く」が、keyframesで時間軸上の複数地点に指示を挟んだり、targetAspectRatioでアスペクト比を変えながら拡張したりと、細かい制御も可能というのがAPI仕様から読み取れる姿だ。なお、OpenAPI仕様にはratioという別パラメータも存在するが、"deprecated": trueと明記されており非推奨扱いになっている。

出力フォーマットの選択肢と追加料金

outputFormatの説明文には次のように明記されている。

  • mp4(既定): H.264の.mp4
  • prores: ProResの.mov
  • png_sequence: PNGフレームの.zip
  • sdr_rec709_10bit: SDRグレーディングパイプライン向けの10bit Rec.709 HEVC .mp4

そしてmp4以外のフォーマットには追加サーチャージが明記されているが、金額は一律ではなく2段階に分かれる。docs.dev.runwayml.com/guides/pricingの料金表によると、prorespng_sequenceは1秒あたり5クレジットの追加、一方でsdr_rec709_10bitを含む10bit・HDR系プロファイル(hdr10hlghdr_pq_12bit_masterhdr_proreshdr_png_sequencehdr_exr_sequence)は1秒あたり20クレジットの追加(出力が4メガピクセル超の場合は40クレジット)となる。Aleph 2.0の出力形式として挙げたsdr_rec709_10bitはこの20クレジット側に該当するため、標準のmp4出力だけなら追加料金はかからないが、10bitグレーディング向けの出力を選ぶ場合はProRes・PNG連番より高いコストを見込む必要がある。

料金──1秒28クレジット、最低56クレジット

docs.dev.runwayml.com/guides/pricingの料金表には次のように明記されている。

aleph2 — 28 credits per second(56 credit minimum per generation)

1クレジット$0.01なので、1秒あたり$0.28。1回の生成に対して56クレジット($0.56)の最低課金があるため、たとえ1〜2秒分の短い編集でも最低56クレジットは消費される計算になる。同じ料金表に載っている他モデルの基本料金(秒あたり)と並べると、Aleph 2.0の位置づけがわかる。

モデル 基本料金(1秒あたり)
act_two 5クレジット
gen4_turbo 5クレジット
gen4.5 12クレジット
aleph2 28クレジット(最低56クレジット/回)
veo3.1_fast(音声なし) 10クレジット
veo3.1(音声あり) 40クレジット

Act-Two・Gen-4-turboと比べるとAleph 2.0は1秒あたりのコストが約5.6倍、同じフラッグシップ格のGen-4.5と比べても2倍以上高い。動画全体を作り直すのではなく既存動画を編集するという性質上、より計算コストの高い処理が行われていることがうかがえる。

開発者向けAPIドキュメントが根拠、Webアプリの画面は確認していない

  • 本稿のパラメータ・料金情報はRunway Dev(開発者向けAPI)のドキュメントが根拠であり、一般ユーザー向けWebアプリでのAleph 2.0の操作画面・クレジット消費(サブスクリプションプラン内での扱い)は確認していない
  • Aleph 2.0のWebアプリ上での製品名が「Edit Studio」を指すのか、それとも別の呼称なのかは、モデル一覧ページのリンク先URL(help.runwayml.com/hc/en-us/articles/51683104370451-Creating-with-Edit-Studio)まで特定できたが、このヘルプセンター記事自体は本記事作成時にcurlしたところHTTP 403で本文を取得できず、確認できていない
  • 実際の編集品質・処理時間・キーフレーム指定の効果の強さは、公式ドキュメントの記述以上の検証を行っていない
  • Aleph 2.0固有の変更点(初代Alephとの違い)を説明する公式発表記事は、本記事の調査範囲では見つからなかった。この記事では初代Aleph(2025年7月25日発表)の説明を「編集の種類」の参考情報として引用しているが、Aleph 2.0での変更・追加機能を示すものではない

関連記事

シェア: ポスト はてブ

出典・参照資料

AIニュースの解説を動画でも

YouTubeでは注目ニュースの背景を解説し、Xでは新着記事をお知らせしています。

コメント

まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?

AIについて聞きたいことはありますか?

質問箱で無料で受け付けています。回答は公開され、他の方の参考にもなります。

質問箱を見る →

新しい記事をメールで受け取る

AIの新しい発表を、出典付きで整理して届けます。

関連記事