2026年9月5日 土曜日
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Manus AIは安全なのか──公式Trustセンターで確認できる認証と、確認できなかったこと

自律型AIエージェント「Manus」は公式Securityページで、SOC 2 Type 1・SOC 2 Type 2・ISO 27001:2022・ISO 27701:2019の4つの認証取得を明記している。暗号化・侵入テスト・退職時のデータ削除など具体的な統制項目も列挙されているが、運営体制や過去のインシデント有無については公式サイトの範囲では確認できなかった。

Manus AIは安全なのか──公式Trustセンターで確認できる認証と、確認できなかったこと
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Manus公式Securityページは SOC 2 Type 1・SOC 2 Type 2・ISO 27001:2022・ISO 27701:2019 の4認証取得を明記する一方、ヘルプセンターは「オンラインサービスに100%の安全はない」と自ら述べている。アカウント削除後もデータは「必要な期間」保持されるとするのみで具体的な日数の明記はなく、チームプランではOwnerが全メンバーのセッションデータを閲覧・エクスポートできるのに対しAdminは個人のアカウント詳細を見られないなど、権限が階層化されている。

「Manus AIは危険なのでは」という不安は、自律的にブラウザ操作やファイル操作まで行うAIエージェントというカテゴリ全体に付きまとう疑問だ。個別の脆弱性報道の真偽を検証するのではなく、本記事ではManus自身が公式サイトとヘルプセンターで何を説明しているかを、一次資料の記載だけを頼りに確認する。

Manusは何をするサービスか

公式サイトの表現では、Manusは「Web app・AIデザイン・AIスライド・AI画像生成・AI音楽生成・Manusブラウザオペレーター・Wide Research・Mail」といった機能群を持つ自律型AIエージェントサービスだ。トップページのキャッチコピーは「Less structure, more intelligence.」。スライド作成、Webサイト構築、ゲーム制作などをチャット形式の指示で任せられる、と紹介されている。

提供形態も複数あり、公式サイトのナビゲーションからはWebアプリ・モバイルアプリ・デスクトップアプリ・ブラウザ拡張(My Browser)・チーム向けプラン(SSO対応)・APIといった選択肢が確認できる。競合との比較コンテンツとして「VS ChatGPT」「VS Lovable」「VS Replit」という個別の比較ページも用意されており、汎用チャットAI・ノーコード開発ツール・コーディングエージェントの複数カテゴリーを横断する立ち位置を自ら意識していることがうかがえる。

公式が明記している認証

公式Securityページのタイトルは「Security you can build on」。同ページが列挙している取得済み認証・準拠フレームワークは次の4つだ。

  • SOC 2 Type 2
  • SOC 2 Type 1
  • ISO 27001:2022
  • ISO 27701:2019

いずれについても、SOC 2 Type 1・Type 2は「Letter of Attestation」、ISO 27001は「official certificate」へのリンクが同ページに用意されている(本記事ではリンク先の証明書原本までは開いていない)。

具体的なセキュリティ統制項目

同ページは「Advanced security features」として、次のようなカテゴリー別の統制項目を列挙している。

インフラセキュリティ

  • 暗号鍵アクセスの制限
  • 固有のネットワークシステム認証の強制
  • リモートアクセスの暗号化・強制

組織セキュリティ

  • 従業員の身元調査(background checks)の実施
  • 従業員による機密保持契約の締結

プロダクトセキュリティ

  • データ暗号化の利用
  • コントロールの自己評価の実施
  • 侵入テスト(penetration testing)の実施

内部セキュリティ手順

  • サイバーセキュリティ保険の維持
  • 構成管理システムの確立
  • 変更管理手順の強制

データとプライバシー

  • 顧客データは、顧客が離脱した際に削除される

同ページは各認証について、証明書・監査法人の証明書(Letter of Attestation)へのリンクを個別に用意しており、SOC 2 Type 2・SOC 2 Type 1・ISO 27001それぞれで別ファイルへのリンクが張られている(ISO 27701については別途の証明書リンクは確認できなかった)。ページ最後の見出しは「The secure agent partner you can count on(信頼できるセキュアなエージェントパートナー)」で、コンプライアンスと信頼を軸にビジネス向けの訴求をしている構成になっている。

ヘルプセンターが説明する安全対策の内訳

公式Securityページとは別に、ヘルプセンターの「How can Manus ensure the security of user information?」という項目では、プライバシーポリシーの「Security」セクションに基づく対策として次の3種類を挙げている。

  • 技術的な保護策:不正アクセス・不正利用・不正開示からデータを守るための最新のセキュリティ技術を使用
  • 組織的な保護策:データが安全に扱われるよう内部方針・手順を整備し、アクセスを許可された担当者のみに制限
  • 物理的な保護策:施設・機器を守るための物理セキュリティ対策

同じ項目でManusは「commercially reasonable safeguards(商業的に合理的な保護策)を用いているが、オンラインサービスが100%安全ということはあり得ない」と明記し、利用者側にも強固なパスワードの使用や、利用可能な場合の二要素認証の有効化を呼びかけている。

アカウント削除後、データはどうなるか

ヘルプセンターの「Will my personal data be deleted after I delete my account?」によれば、アカウント削除時にManusはコンテンツの削除に向けた対応を取るとしつつ、次の目的のために一定期間パーソナルデータを保持する場合があるとしている。

  • 法令・会計・報告上の要件を満たすため
  • 法的請求権を確立・防御するため
  • 不正行為を防止するため

保持期間は「これらの目的を果たすために必要な期間のみ」とされ、具体的な日数は明記されていない。保持期間が終了すると、データは「securely deleted(安全に削除される)」という説明にとどまる。チームプランに参加している場合は、データ保持方針がチームのOwnerまたはAdministratorの設定に委ねられる点も明記されている。

誰が自分のタスクを見られるか

ヘルプセンターの「Who can see my tasks?」では、アカウント種別によってタスクの閲覧権限が変わることが説明されている。

立場 閲覧・操作できる範囲
個人アカウント デフォルトで非公開。本人が明示的に共有しない限り他者は閲覧不可
Team Owner メンバー全員のセッションデータ(タスクの手順・内容を含む)に全面アクセス可能。クレジット使用状況の監視、セッションデータのエクスポートも可能
Team Administrator セッションデータの一部にアクセス可能。個人のアカウント詳細や詳細な個別セッション情報は閲覧不可
Team Member 自分のタスクはTeam Ownerに見られ、Administratorにも限定的に見られる

チームプランでは、Ownerに与えられる権限がAdministratorより広いという非対称な構造になっている点は、公式Securityページの認証一覧だけでは分からない情報だ。

Manusが自ら表示する「高影響トピック」の注意書き

ヘルプセンターの「Verify before you act」という項目では、Manusが健康・金融・法的権利など重要な意思決定に関わりうる会話を検知した際に「High-impact topic notice(高影響トピック通知)」を表示する仕組みが説明されている。同項目は「Manusは自信を持っているように聞こえても不正確・不完全な情報を生成することがある」とAI自身の限界を認めたうえで、「重要な意思決定はManusを最終的な権威としてではなく、あくまで出発点として扱ってほしい」と述べている。この通知はあくまで情報提供が目的で、会話をブロックしたり機能を制限したりするものではないとも明記されている。

証明書原本と運営会社の実体は本記事では確認できていない

  • 本記事が参照したのは、Manus公式サイトのSecurityページ・トップページ・About Usページ、およびヘルプセンターの4項目(安全対策・データ削除・タスク閲覧権限・高影響トピック通知)。SOC 2・ISO認証の証明書原本、監査法人名、認証取得日は本記事では確認していない(証明書へのリンク自体はSecurityページに存在する)
  • データ保持期間について、ヘルプセンターは「必要な期間のみ」としか説明しておらず、具体的な日数・上限は確認できなかった
  • 「安全なのか」という問いに対する核心(プロンプトインジェクション耐性、実際のインシデント履歴、脆弱性報告制度の有無など)は、今回参照した公式ページ・ヘルプセンターの範囲には記載がなく確認できなかった
  • 運営会社の登記情報・本社所在地・設立経緯についても、今回参照したページの範囲では確認できなかった
  • Trust Center(trust.manus.im)へのリンクも公式サイトに存在するが、同ページはJavaScriptでの動的描画が前提になっており、本記事の取得方法では中身を確認できなかった
  • 本記事は同社の企業活動全般や評判に関する第三者評価を検証したものではなく、公式サイト・ヘルプセンターの自己申告のみに基づく整理である点に留意してほしい

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