Kimi(Moonshot AI)とは何か無料アプリからオープンモデルK2・K3まで全体像を整理
日刊AIニュース10月19日(月)号:前日のAIのニュース3本を短くまとめました(約5分)›
Kimiは中国のAI企業Moonshot AIが開発するAIアシスタントとモデル群の総称です。チャットアプリ・Kimi Code(CLI)・OpenAI/Anthropic互換APIという製品構成と、Hugging Faceで重みが公開されるK2系から2026年7月16日発表のK3までの系譜を、公式ドキュメントベースで整理します。

目次
Kimi(キミ)は、中国のAI企業Moonshot AI(ムーンショットAI)が開発するAIアシスタントと大規模言語モデル(LLM)群の総称です。結論から言うと、Kimiには「無料で試せるチャットアプリ」「OpenAI/Anthropic互換のAPI」「Hugging Faceで重みが公開されるオープンモデル」という3つの顔があります。2026年7月16日には「Kimi K3」が正式発表され、注目度が一段上がっています(2026年9月24日時点でもK3がMoonshot AIの最新モデルです)。この記事では、初めて名前を聞いた人向けに製品の全体像と使い始め方を整理します。
- KimiはMoonshot AIのアシスタント兼モデル群。アプリ(Web/iOS/Android)・デスクトップ・Kimi Code(CLI)・APIの4形態
- モデルはK2系(Hugging Faceで重みを公開)から、2026年7月16日発表のK3へ
- APIはOpenAIとAnthropicの両API形式に互換。接続先(base_url)を切り替えれば、既存のSDKや対応ツールから接続できる
【更新:2026年9月24日】 公式ドキュメントのQuickstartページ(platform.kimi.ai/docs/overview)は現在、Kimi APIが「OpenAI API形式」と「Anthropic API形式」の両方に互換だと明記しています。執筆時点(2026年7月17日)の同ページはOpenAI互換の記載だけでしたが、同じ公式ドキュメント内のClaude Code接続ガイドには、当時からAnthropic互換のエンドポイントが載っていました(どちらもInternet Archiveの2026年7月17日の保存版で確認)。執筆後に加わった対応ではなく、執筆時の本記事が拾えていなかった記載です。下の「使い始めるには何をすればいいか」を更新しています。Kimi K3が引き続き最新モデルであることも同日確認済みです。
Moonshot AIとはどんな会社か
Moonshot AIは中国のAI開発企業で、消費者向けアシスタント「Kimi」と、その頭脳にあたるモデル群を開発しています。特徴的なのは、主力モデルの重み(モデルの中身のパラメータデータ)をHugging Face(AIモデルの共有サイト)で公開する路線を取っている点です。公式のHugging FaceページにはKimi K2系を中心に複数のモデルが並んでおり、条件を満たせば自分の環境で動かすこともできます。
Kimiで何ができるのか──製品は4系統
公式サイトとドキュメントで確認できる製品は、大きく4つに分かれます。
- Kimiアプリ(Web/iOS/Android):ChatGPTのように対話するアシスタント。まず試すならここからです
- デスクトップアプリ:PC上で常用したい人向けのクライアント
- Kimi Code:ターミナル(黒い画面)から使うCLI型のコーディング支援ツール。Claude CodeやCodex CLIと同じジャンルです(インストール手順や対応プロトコルは「Kimi Code CLIの中身」で公式ドキュメントベースに詳しくまとめています)
- API:自分のアプリやワークフローにKimiのモデルを組み込むための開発者向け窓口
モデルはどう進化してきたか──K2系からK3へ
モデルの系譜はK2系が土台です。K2系は総パラメータ数1兆(アクティブ320億)のMoE(Mixture of Experts=入力に応じて一部の「専門家」だけを動かす省エネ設計)で、Kimi-K2-InstructやKimi-K2-Thinkingなどの重みがHugging Faceの公式ページで公開されています。
そして2026年7月16日、後継のKimi K3が正式発表されました。公式APIドキュメントにも、フラッグシップモデルとしてK3がすでに掲載されています。スペックや価格、重み公開の予定などの詳細は、別記事「Kimi K3のAPI提供が開始」にまとめているので、そちらをご覧ください。重みは予告どおり(発表時の公式ブログに「7月27日までに公開する」と記載)2026年7月27日にHugging Faceで公開されました。公称スペック(総パラメータ2.78兆など)を実際のファイル索引から数え直した結果は「Kimi K3の重みが公開された」にまとめています。
使い始めるには何をすればいいか
一番の近道は、公式サイト(kimi.com)からアプリでアカウント登録して触ってみることです。コーディング用途ならKimi Code、開発に組み込みたい場合はAPIプラットフォームでAPIキーを発行します。なお、公式のモデル一覧ページによると、kimi-k2.5とmoonshot-v1系の旧モデルは2026年8月31日で提供を終了しています(2026年9月12日時点の同ページには「呼び出すと404(model not found)エラーが返る」と書かれていました)。移行の詳細は「Kimiのmoonshot-v1シリーズが8月31日で終了」にまとめています。
開発者にとって重要なのは、公式ドキュメントのQuickstartページに次のように明記されている点です(2026年9月24日確認)。
Kimi API lets you interact with Kimi models and is compatible with both the OpenAI and Anthropic API formats.
(Kimi APIを使うとKimiのモデルとやり取りでき、OpenAIとAnthropicの両方のAPI形式と互換です。)
同ページによると、APIキーを用意してbase_urlを設定すれば、HTTP API・OpenAI SDK・Anthropic SDKのいずれからでも呼び出せます。Anthropic形式の窓口(Messages API)は「Anthropic SDKやClaude Codeなどのツールとの統合用」と案内されており、Claude Code向けの接続手順は公式の「Use Kimi in Claude Code」ガイドにあります。執筆時点(2026年7月17日)のQuickstartページはOpenAI互換の記載だけでしたが、このClaude Code接続ガイドには当時からAnthropic互換のエンドポイントが載っていました。既存の環境を大きく変えずに試せるのは実務上の利点です。
料金はどう考えればいいか
APIは入力・出力のトークン量に応じた従量課金です。K3の具体的な価格はK3の記事で、他社モデルと比べる際の考え方はAI API料金ガイドで整理しています。アプリ側の無料範囲や有料プランは変わりやすいため、契約前に公式サイトで最新情報を確認してください。
利用規約の中身までは検証していない
- Kimiは中国企業のサービスです。業務データを扱う場合は、利用規約とプライバシーポリシーを公式ページで必ず確認してください。本記事では規約の内容までは検証していません
- 筆者確認時点で、公式サイト・ドキュメントは英語と中国語が中心でした。日本語UIの提供状況は未確認です
- モデルの性能評価は用途によって分かれます。「K3が最良」といった断定はせず、手元のタスクで既存ツールと比較することをおすすめします
- Anthropicが2026年9月10日に公開した154ページの脅威レポートは、Moonshot AIが顧客のリクエストをKimiで処理せず黙ってClaudeへ転送し、Claudeの回答を利用者に表示していた(利用者はKimiを使っているつもりだった)と記載しています。ある10日間では30万件近くを転送していたとしています。これはAnthropic側の記載で、Moonshot AI側の見解は本記事では確認していません。利用規約とは別の論点ですが、サービスの実態を確かめる材料として付記します。詳細は「Anthropicが154ページでClaudeの悪用を全公開」
- 本記事は2026年7月17日時点の公式ドキュメント・公式Hugging Faceページの記載に基づきます(Kimi APIのAnthropic形式対応など一部の事実は2026年9月24日に一次ソースで再確認・更新しています)。更新が速い領域のため、最新情報は一次ソースで確認してください
参照した3つの公式ページ
2026年9月24日の更新で、次の資料も参照しました。
- Use Kimi in Claude Code - Kimi API Platform(公式ドキュメント)(2026年7月17日の保存版)
- Quickstartの2026年7月17日の保存版(Internet Archive)
- Model List - Kimi API Platform(公式ドキュメント)
- Detecting and countering misuse of AI: September 2026(Anthropic・PDF)
関連記事
出典・参照資料
- 一次資料Quickstart - Kimi API Platform(公式ドキュメント) ↗
- 二次資料moonshotai - Hugging Face(公式モデルページ) ↗
- 一次資料Kimi 公式サイト ↗
- 一次資料Use Kimi in Claude Code - Kimi API Platform(公式ドキュメント・Anthropic互換エンドポイントの接続ガイド) ↗
- 二次資料Quickstart - Kimi API Platform(Internet Archive・2026年7月17日保存版。当時の記載はOpenAI互換のみ) ↗
- 二次資料Use Kimi in Claude Code - Kimi API Platform(Internet Archive・2026年7月17日保存版。当時からAnthropic互換エンドポイントの記載あり) ↗
- 一次資料Model List - Kimi API Platform(公式ドキュメント・提供終了モデルの記載) ↗
- 一次資料Detecting and countering misuse of AI: September 2026(Anthropic・2026年9月10日公開・154ページ) ↗
更新・訂正履歴
- 「K2系は1.1兆パラメータのMoE」としていたが、Hugging Face公式モデルページ(Kimi-K2-Instruct/Kimi-K2-Thinking)のモデルカードはいずれもTotal Parameters=1T(1兆、アクティブ320億)と記載されており、1.1兆は誤りだったため修正した。
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