ずんだもん解説動画の作り方を半自動化する──台本JSONを唯一の源にする設計
ずんだもん×四国めたんの対話形式の解説動画を、台本JSON→VOICEVOXローカルAPI→ffmpegの流れで半自動生成する仕組みの設計思想を解説します。音声・字幕・チャプターを台本1つから生成し、人間は台本と最終チェックに集中する分業の考え方です。

目次
この記事では、ずんだもんと四国めたんの対話形式の解説動画を「台本を書けば、あとはコマンド1本で動画になる」状態まで半自動化する仕組みの設計を解説します。個別ツールの操作手順ではなく、動画を量産するためのパイプラインの組み立て方の話です。核になる考え方は、台本データ(JSON)を唯一の源にして、音声・字幕・チャプターをすべてそこから生成することです。
- 流れは「台本JSON → VOICEVOXローカルAPIで音声合成 → スライド画像生成 → ffmpegで結合 → BGMミックス」
- 台本を唯一のデータ源にすると、音声・字幕・チャプターの食い違いが構造的に起きなくなる
- 目指すのは全自動ではなく半自動。人間の仕事は台本と最終チェックに集中させる分業
全体の流れはどうなっているか
パイプラインは次の順で動きます。
- 台本をJSONで書く(JSONはプログラムが読み書きしやすいテキスト形式です)。誰のセリフか、どのスライドに対応するかを構造化して持たせます。
- VOICEVOXのローカルAPIで音声合成。VOICEVOXは無料で使えるテキスト読み上げソフトで、起動中はローカルにAPIサーバーが立ち、既定では
localhost:50021にテキストを送ると音声が返ってきます。ずんだもん・四国めたんの声もここで生成します。 - スライド画像を生成。台本の各ブロックに対応する画像をスクリプトで作ります。
- ffmpegで音声とスライドを結合。ffmpegは動画・音声を加工できる定番のコマンドラインツールです。セリフごとの音声の長さに合わせてスライドの表示時間を割り当てます。
- BGMをミックスして完成です。
なぜ台本データを「唯一の源」にするのか
この設計でいちばん重要なのは、音声・字幕・チャプターがすべて同じ台本JSONから生成されることです。台本と字幕を別ファイルで管理すると、セリフを直したときに片方だけ古いまま、という食い違いが起きます。源を1つにすれば、修正は台本だけで済み、再ビルドすれば音声も字幕も追従します。
チャプター(概要欄の目次)も台本の章構造からそのまま書き出せます。この部分の考え方はYouTubeチャプター自動生成の記事で詳しく扱っています。
ビルド前の機械チェックは何を防ぐのか
音声合成や動画結合は時間がかかるので、走らせてから間違いに気づくと手戻りが大きくなります。そこでビルド前に台本へ機械チェックをかけます。具体的には、キャラクターの語尾が崩れていないか(「なのだ」「〜かしら」など役割どおりか)、1セリフの文字数が長すぎないか、といった項目です。
なお、VOICEVOXは固有名詞などを読み間違えることがあり、これは機械チェックとは別に対処が要ります。対処法はVOICEVOXの読み修正の記事にまとめています。
スライドの文字数を一定範囲に保つ理由
1スライドに載せる文字数を一定の範囲に収めると、読み上げ時間とスライドの表示時間がおおむね比例して揃い、画面切替のテンポが安定します。逆に文字量がばらばらだと、一瞬で消えるスライドと長く止まるスライドが混在し、見づらくなります。台本を書く段階で「1ブロックの分量」を意識するのが、編集作業を減らす近道です。
GUIツールとスクリプト方式、どちらを選ぶべきか
検索するとゆっくりムービーメーカー(YMM4)などGUIツールの解説が多く見つかります。どちらが上という話ではなく、向きが違います。
- A案:GUIツール(YMM4など) — 学習コストが低く、1本ずつ細かい演出を入れたい人向け。本数が少ないうちはこちらが速いはずです。
- B案:スクリプトのパイプライン(本記事の方式) — 構築に初期コストがかかる代わりに、本数を重ねるほど・修正して再ビルドするほど効いてきます。プログラミング経験がなくても、AIにコードを書かせながら組む道はあります。
月に何本作るか、修正がどれくらい発生するかで選ぶのが実態に合うと考えています。
筆者の現場から
私はこの方式で長尺の解説動画を量産しており、台本さえ書けば残りはコマンド1本で動画になります。人間の仕事は台本を書くことと最終チェックに集中する分業です。
正直な但し書き
- これは半自動であり全自動ではありません。誤読や図の崩れの最終チェックは人間の目が必要です。
- ローカルでVOICEVOXエンジンが起動している前提の構成です。ポートは既定で50021ですが、環境により変更されている場合があります。
- パイプラインの構築には試行錯誤が要ります。一発で動く前提で見積もらないでください。
- ずんだもん・四国めたんのキャラクター利用と各音声ライブラリには利用規約・ガイドラインがあります。商用利用やクレジット表記の条件は必ず一次情報で確認してください。
- この方式で動画の再生数や品質が上がることを保証するものではありません。制作の手間の構造を変える話です。
出典
出典・参照資料
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