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WAICとは──上海で開催される中国最大級のAIカンファレンスを整理する

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日刊AIニュース10月19日(月)号:前日のAIのニュース3本を短くまとめました(約5分)›

WAIC(世界人工知能大会)は上海で毎年開催される中国最大級のAIカンファレンスです。2026年は7月17日〜20日に開催され、Moonshot AIのKimi K3はこの開幕日に正式発表されました。何が行われる場なのか、日本から何を見ればいいのかを整理しました。

WAICとは──上海で開催される中国最大級のAIカンファレンスを整理する
目次

【更新 2026年9月24日】 本記事の一部はWAIC開幕(2026年7月17日)時点の記述のまま、Moonshot AIのKimi K3のWAIC会期中の発表を「報道・コミュニティの観測」としていました。Moonshot AIは同じ7月17日にKimi K3を正式発表し、7月27日に重みと技術レポートを公開しています。「2026年の注目点は?」の章・3行まとめ・概要をこの事実に合わせて更新し、開催日程の記述を過去形に改めました(詳細は末尾の更新・訂正履歴)。

WAIC(世界人工知能大会、World Artificial Intelligence Conference)は、中国・上海で毎年開催される中国最大級のAIカンファレンスです。2026年は7月17日から20日まで開催されました。中国のAI企業が新モデルや新製品の発表をぶつける場になっており、日本からAIの動向を追ううえで「中国勢の現在地をまとめて確認できる年1回の定点」として押さえておく価値があります。2026年開催の中身(習近平国家主席の初出席・29カ国のWAICO設立・Huawei Atlas 950実機など)は解説動画(10分)で詳しくまとめています。

  • WAICは上海で毎年開かれる中国最大級のAIカンファレンス。2026年は7月17日〜20日開催
  • 政府主導の色が強く、企業の製品発表と国家のAI政策が同じタイミングで出てくる場
  • 2026年はMoonshot AIのKimi K3がWAIC開幕当日(7月17日)に正式発表された。中国勢ウォッチの定点として有用

WAICとは何か

世界人工知能大会(WAIC)は、上海で毎年夏に開催されるAIの国際会議・展示会です。英語版Wikipediaによると、2018年に始まり、中国の中央政府部門や中国科学院、上海市人民政府などが共催しています。フォーラム、展示会、コンテスト、技術デモが一体になった構成です。

民間企業の見本市というより、中国政府が国家戦略としてAI産業を押し出す場という性格が強く、日本の中国テック系メディアでは「中国版CES」と紹介されることもあります(CESは米国ラスベガスで開催される世界最大級のテクノロジー見本市です)。

2026年はいつ・どこで開催されたのか

上海市政府の日本語ページによると、2026年のWAICは7月17日から20日まで、上海の3エリア(世博センター・世博展覧館、張江科学会堂、西岸国際コンベンションセンター)で開催されました。テーマは「インテリジェント・パートナーズ、未来の共創」。開幕前の主催側の発表では、テーマフォーラム140以上、出展企業1,100社以上、展示面積10万平方メートル以上という規模が予告されていました。会期後に上海市政府が公表した来場者数などの集計値は、週刊AIニュース(2026年7月第3週)の追記にまとめています。

なぜ「中国AIの定点」と言えるのか

理由は2つあります。

第一に、規模と継続性です。ジェトロの報道によると、2025年大会は延べ来場者数が約35万人と過去最大で、800社以上が出展しました。

第二に、政府の意思表示の場でもあることです。2025年大会では中国政府が「世界人工知能協力組織」の設立を提唱し、本部を上海に置く方針を表明しました。2026年大会では習近平国家主席が開幕式に出席して基調講演を行い、CGTNが掲載した英語版全文には「China has embraced AI with open arms(中国は両手を広げてAIを受け入れてきた)」という推進の文と、「ensure that AI is always under human control(AIが常に人間の制御下にあるようにする)」という規制の文の両方が入っています。9月に米国でAI開発のペースを巡る議論が政治問題化した際、トランプ大統領はTruth Socialに「President Xi, of China, just announced that China will be doing absolutely nothing to stand in the way of AI, or its future.(中国の習主席は、中国がAIやその未来の邪魔を一切しないと発表したばかりだ)」と投稿しましたが、どの発言を指すのかは書かれておらず、当サイトがこの基調講演の全文を通読した範囲では、その通りの文はありませんでした(経緯はトランプ「AIの脅威はデマ」の記事)。

つまりWAICは、企業の製品発表と国家のAI政策の両方が同じ週に集中して出てくる場です。年1回ここを見れば、中国AIの現在地をまとめて掴めます。

2026年の注目点は?──Kimi K3との重なりは実際どうなったか

2026年のWAICで注目されていたのが、Moonshot AI(月之暗面)の次期モデル「Kimi K3」との時期の重なりでした。TechCrunchは7月16日(WAIC開幕前日)、Kimi 3がAnthropicのフラッグシップモデルとの差を詰めることが期待されていると報じ、海外の観測記事では、WAICの会期(7月17日〜20日)が正式発表の舞台になるのではという見方も出ていました。

Moonshot AIは、WAIC開幕当日の2026年7月17日に公式ブログでKimi K3を正式発表しました。ただし、本記事が確認した公式ブログの記事ページにはWAICへの言及がなく、WAICの場での発表だったかどうかは確認できていません。公式ブログは発表時に「The full model weights will be released by July 27, 2026.(モデルの重み一式は2026年7月27日までに公開する)」と予告しており、重みと技術レポートは7月27日(UTC)に公開されました。詳細はKimi K3正式発表の記事と重み公開の記事で追っています。

中国大手の次世代モデルの話は、WAIC以外の各社の自社イベントで出てくることもあります。たとえばAlibabaが次世代モデル「Qwen 4」を訓練中だと明らかにしたのは、2026年9月22日、Alibaba Cloudが毎年開く技術カンファレンスの雲栖大会(Apsara Conference)でした(同社プレスリリースによる)。経緯はQwen4とはの記事で整理しています。

日本から何をチェックすればいいのか

現地に行かなくても、チェックポイントは絞れます。

  1. 中国大手の発表──Moonshot AI、DeepSeek、Alibaba系など、中国AI企業の新モデル・新製品発表が会期に合わせて出るか
  2. 政府側の発信──AIガバナンス(AIの開発・利用に関するルール作り)に関する中国政府の提唱や国際的な枠組みの動き
  3. オープンウェイトモデル──重みが公開され自分の環境でも動かせるモデルの新規公開があるか

中国AI各社の現行モデル(DeepSeek・Qwen・Kimi・GLM・MiniMax・Tencentなど)のAPI価格・重み公開状況・ライセンスを横断して並べたものは中国AIモデルまとめ【2026年9月版】にまとめています。当サイトの週刊AIニュースでも、中国勢の動きは継続的に拾っていきます。

毎週の中国勢ニュースが追いにくいという実感

筆者は毎週AIニュースをまとめていますが、中国勢の発表は散発的に見えて追いにくいというのが正直なところです。WAICのように「この週は中国AIの発表が集中する」と分かっている定点がカレンダーにあると、見落としが減ります。2026年は開幕当日の7月17日にKimi K3の正式発表が重なりました。来年以降も、会期の週は中国勢の発表をまとめて確認していく予定です。

政府発表の数字・Kimi K3の発表の場・参加登録についての留保

  • 開催規模の数字は主催者・上海市政府の発表ベースです。政府主導イベントの性格上、規模の数字には宣伝的な側面がある点は割り引いて読んでください
  • Kimi K3は2026年7月17日(WAIC開幕当日)に正式発表されましたが、WAICの場での発表だったかどうかは本記事では確認できていません。会期に合わせた「次期モデル」の観測報道は、公式発表が出るまでは観測として扱ってください
  • 一般参加の可否や登録方法は年によって変わる可能性があります。参加を検討する場合はWAIC公式サイトで最新情報を確認してください
  • 筆者は現地参加の経験はなく、本稿は公開情報の整理です

上海市政府・JETRO・CGTN・Kimi公式ブログほかの参照元

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出典・参照資料

更新・訂正履歴

  • 本文の一部がWAIC開幕(2026年7月17日)時点の記述のまま残っており、「2026年の注目点は?」の章と留保の項で、Moonshot AIのKimi K3のWAIC会期中の発表を「報道・コミュニティの観測であり、公式発表ではない」としていた。Moonshot AIは2026年7月17日(WAIC開幕当日)に公式ブログでKimi K3を正式発表し、7月27日(UTC)に重みと技術レポートを公開している(当サイトのKimi K3正式発表の記事・重み公開の記事、Hugging FaceとGitHubの公開履歴で確認)。本文・3行まとめ・excerptをこの事実に合わせて更新し、開催日程の記述を過去形に改めた。Kimi K3がWAICの場で発表されたかどうかは確認できていない。
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