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日本発「PEP検定」とは開始1年でシラバスに「AIエージェント」「コンテキストエンジニアリング」を追加した資格の中身

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日刊AIニュース10月21日(水)号:前日のAIのニュース18本を短くまとめました(約11分)›

一般社団法人日本プロンプトエンジニアリング協会が2025年4月23日に開始した「Prompt Engineering Professional(PEP)検定」は、2025年9月20日の試験からAIエージェント・コンテキストエンジニアリングを新章として追加し、2026年4月15日時点でユーザー登録数1,000人を突破した。受験料は11,000円(税込)、全国47都道府県340以上のCBTテストセンターで受験できる。2026年9月20日公開の公式サイトの対談記事では、セブン-イレブン・ジャパンが全社員向けの資格支援制度にPEP検定を採用したと紹介されている。

日本発「PEP検定」とは──開始1年でシラバスに「AIエージェント」「コンテキストエンジニアリング」を追加した資格の中身
目次

日本国内で「プロンプトエンジニアリングの資格」と検索すると出てくる代表格が、一般社団法人日本プロンプトエンジニアリング協会(JSPE)が運営する「Prompt Engineering Professional(PEP)検定」だ。本稿はJSPEが自ら配信したPR TIMESのプレスリリース3本を一次で確認し、開始からの1年で何が起きたのかを整理する。あらかじめ書いておくと、確認した範囲では検定の名称自体が変わった事実は見当たらなかった――変わったのは名前ではなく、出題範囲の中身である。

【更新:2026年9月25日】 公式サイト(prompt.or.jp/pep)にあらためてアクセスしたところ、以前は取得できなかった受験料(11,000円・税込)と試験の形式(100問・60分・合格基準は正答率70%以上)を確認できた。一方で、出題範囲の章数は、2025年9月18日付プレスリリース本文が新たに追加した章を「7章」とし、1章から7章までを出題範囲としていたのに対し、公式サイトのPEP検定ページにある「シラバス改定のお知らせ」は「2025年9月20日より、シラバスは7項目から6項目になりました」とし、現在は「全6章」と説明しており、表記が食い違う(詳細は本文)。あわせて、開始時点のシラバスを「6分野」としていた記述を、開始時のプレスリリースどおり7項目に訂正した。また、公式サイトの対談記事(ページ上の公開日は2026年9月20日)で、株式会社セブン-イレブン・ジャパンが全社員向けの資格支援制度と新入社員向けカリキュラムにPEP検定を採用したと紹介されている。合格率・平均点は、今回確認した公式サイトのページとプレスリリースには記載が見当たらなかった。

3行まとめ

  1. PEP検定は2025年4月23日に開始。運営はJSPE(代表理事:黒柳茂、2023年4月設立、東京都世田谷区)で、CBT形式(コンピュータ上で受験する試験方式)、全国47都道府県340以上のテストセンターで受験できる。受験料は11,000円(税込・2026年9月25日公式サイト確認)
  2. 2025年9月20日反映の試験から、新章として「AIエージェント」「コンテキストエンジニアリング」を追加。出題数(100問)は当時の発表と現在の公式サイトで一致するが、章数の表記は当時の発表(7章)と2026年9月25日確認の公式サイト(全6章)で食い違う
  3. 2026年4月15日時点でユーザー登録数が1,000人を突破。検定名は開始当初から一貫して「Prompt Engineering Professional(PEP)検定」のままで、名称変更の事実は今回確認した3本のプレスリリースには記載がなかった。2026年9月20日には、セブン-イレブン・ジャパンが全社員向けの資格支援制度・新入社員向けカリキュラムに採用したという対談記事が公式サイトに公開された

開始時点(2025年4月23日)の設計

JSPEのプレスリリースによると、PEP検定は「大規模言語モデル(LLM)を活用した業務効率向上や企業のDX推進を支援すること」を目的に開始された。試験はCBT(Computer-Based Testing)方式で、「全国47都道府県に340ヶ所以上あるテストセンターで受験可能」と明記されている。

シラバス(開始時点)の主な内容として、プレスリリースは次の7項目を挙げていた。

  • 生成AIの基礎知識
  • 大規模言語モデル(LLM)の基礎理解
  • プロンプトエンジニアリングの基本概念と技術
  • 生成AIツールの効果的な活用法
  • 実務における生成AIの応用例
  • 生成AIモデルのカスタマイズ手法
  • 倫理・リスク管理・法律上の考慮事項

代表理事は黒柳茂氏(早稲田大学理工学部卒、日本マイクロソフト・フェイスブックジャパンを経て2023年にJSPEを設立)。試験問題の作成・監修には、北海道大学大学院の川村秀憲教授(人工知能・マルチエージェントシステム研究)ら産学の専門家が関わったとされている。

2025年9月18日──「AIエージェント」「コンテキストエンジニアリング」を新章追加

開始から約5ヶ月後の2025年9月18日、JSPEは検定のアップデートを発表した。プレスリリースの見出しは「『Prompt Engineering Professional検定』に、『AIエージェント』と『コンテキストエンジニアリング』を新章追加」。要点は次の通り。

  • 試験切り替え日程: 2025年9月20日から新シラバスでの出題に切り替え
  • 新章の追加: 「AIエージェント」「コンテキストエンジニアリング」を新たな学習項目として追加
  • 新出題範囲: 1章からこの新設7章までを含めた範囲から100問を出題

プレスリリースは追加の背景について「AIエージェントの台頭や複雑なワークフローにおいては、コンテキスト(文脈)を踏まえたエンジニアリング能力が今後ますます重要になる」と説明している。これは、2025年前後から「プロンプトエンジニアリング」という言葉自体が「コンテキストエンジニアリング」というより広い概念に置き換わりつつあるという、業界全体の議論の流れと軌を一にした動きと言える。学習資料は無料で公開されており、誰でも閲覧できるとされている。ここで言う「コンテキスト」がAIの入力枠(コンテキストウィンドウ)そのものを指すのか、文脈設計という実務スキルを指すのかで混同しやすいが、前者の技術的な仕組みはコンテキストウィンドウとはで、AIエージェントの具体的な作り方はAIエージェントの作り方【2026年9月版】で別途整理している。

2026年4月15日時点──登録者1,000人突破

さらに約7ヶ月後の2026年4月16日付プレスリリースでは、2026年4月15日時点でPEP検定のユーザー登録数が1,000人を突破したと発表された。プレスリリースは対象者について「プログラミング経験の有無を問わず、営業、企画、事務、マネジメント、開発職など幅広い職種」と説明しており、個人受験だけでなく「団体受験、一括管理機能、ボリュームディスカウント」など法人向けメニューも用意されているとしている。

同リリースにはJSPEの活動実績として、月例オンラインセミナーの継続開催、ネットワーキングイベント「JSPE Community Nexus」(2025年12月4日、恵比寿で開催)なども紹介されている。

2026年9月20日──セブン-イレブン・ジャパンの導入事例が公開

さらに約5ヶ月後、JSPEの公式サイトに対談記事「『自走できる人が増えることが、一番の財産になる』――セブン-イレブンが“検定”で生成AI人材を育てる理由」が公開された(ページ上の公開日は2026年9月20日。ページに埋め込まれた構造化データの公開日時は2026年9月21日8時)。株式会社セブン-イレブン・ジャパン 人事本部 教育推進部の市川寛氏と、JSPE代表理事・黒柳茂氏の対談形式で、JSPEは同社が全社員向けの資格支援制度と新入社員向けカリキュラムの両方にPEP検定を採用したと紹介している。

対談の中で市川氏は、社内に広げるうえでの壁として「申し込むとき、勉強を続けるとき、そして実際に受験するとき」の3つを挙げ、「その一つひとつに梯子をかける必要があります」と語っている。具体策として紹介されているのは、エントリー時に書いてもらう受験予定日から逆算した声かけや、エントリーすると自動で招待されるTeamsの学習コミュニティなどだ。数字としては、市川氏が「エントリーは200名程度まで入っていて」、当初用意した枠が足りなくなったため「先日枠を500名まで増やしました」と述べている。一方、合格者数(「私の配下の方でも何人か合格しています」という言及のみ)や、同社がPEP検定の採用を始めた時期は、対談記事本文には書かれていない。プロンプトエンジニアリングという分野の資格が大手小売企業の人材育成制度に採用された事例として、本稿執筆時点で確認できた最新の動きである。

PR TIMESで確認できたJSPEの発表を時系列で並べる

冒頭で参照した3本のほかにも、JSPEのPR TIMESアカウントには関連する発表が複数あった。番号を遡って確認できた範囲を時系列に整理する。

日付 発表内容
2025年4月23日 PEP検定開始
2025年9月18日 「AIエージェント」「コンテキストエンジニアリング」新章追加(試験切替は9月20日)
2025年12月18日 『日経トレンディ』2026年1月号『生成AI最強プロンプト21』特集に代表理事・黒柳茂氏が個人として企画協力
2026年4月15日 『日経トレンディ』2026年5月号にPEP検定そのものが掲載(プレスリリース発行日)
2026年4月16日 ユーザー登録数1,000人突破を発表(プレスリリース発行日。本文は「4月15日時点で」1,000人突破と記載)

日経トレンディ掲載の中身──前回確認できなかった号数が分かった

前回の調査では「日経トレンディ」というタグの存在は確認できたものの、具体的な掲載号・内容までは追えていなかった。今回、該当する2本のプレスリリースを個別に確認したところ、実は性質の異なる2回の掲載があったことが分かった。

1つ目は2025年12月18日付、『日経トレンディ』2026年1月号の特集「生成AI最強プロンプト21」。この回はPEP検定そのものではなく、代表理事の黒柳茂氏個人が、リサーチ・データ分析・アイデア出しといったビジネス活用向けプロンプト技法について、生成AIの有識者としてコンテンツを提供したという内容だった。

2つ目は2026年4月15日付、『日経トレンディ』2026年5月号。こちらは誌面の「AI・IT資格 難易度マップ」という企画の中で、PEP検定という資格そのものが「非エンジニアにも開かれている一方で、一定の専門性と実務性を備えた資格」として位置づけられたという内容だった。同リリースはPEP検定を「生成AIへの指示設計・評価・応用スキルを体系的に測定する、日本初のプロンプトエンジニアリング認定試験」と自称している(「日本初」の裏付けとなる比較調査の出典は同リリースには示されていない)。同リリースはまた、シラバスの倫理・リスク管理章の内容として、AIバイアス・プライバシー保護・透明性・ハルシネーション対策・セキュリティリスク・著作権・個人情報保護法といった論点が含まれることも明記している。

「名前を変えた」という話は確認できなかった

今回確認した3本のプレスリリース(2025年4月23日・2025年9月18日・2026年4月16日)を通じて、検定の正式名称は一貫して「Prompt Engineering Professional(PEP)検定」のままだった。組織名(JSPE=一般社団法人日本プロンプトエンジニアリング協会)についても、3本を通じて変化は見当たらなかった。もし「1年足らずで名前を変えた」という情報に触れた場合、それはPEP検定とは別の資格・別の団体の話である可能性がある(実際、PR TIMESの同キーワード検索結果には、別団体が運営する「生成系AI検定」など類似名称の資格が複数ヒットしており、これらとの混同には注意が必要だ)。

変わったのは検定名ではなくシラバスだった

  • 「検定の名称が変わった」という当初の想定は、本稿で確認した5本のプレスリリースの範囲では裏付けが取れなかった。変わったのはシラバス(出題範囲)であり、名称ではない
  • 出題範囲の章数は、2025年9月18日付プレスリリース本文では新章追加後を「1章から、新たに追加した『AIエージェント』と『コンテキストエンジニアリング』の7章を含めた出題範囲から100問」としていた。これに対し、2026年9月25日に確認した公式サイトのPEP検定ページにある「シラバス改定のお知らせ」は「2025年9月20日より、シラバスは7項目から6項目になりました」と説明し、現在の出題範囲を「全6章」としている。同ページの旧・新シラバス比較表は、旧シラバスの7項目のうち「生成AIの基礎理解」と「大規模言語モデル(LLM)の基礎理解」、「生成AIツールの効果的な活用方法」と「実務における生成AIの応用例」をそれぞれ1章に統合し、「AIエージェントとコンテキストエンジニアリング」を新規の第6章とする形で示している。100問という点はプレスリリースと公式サイトで一致する(合格基準の正答率70%以上は、今回確認したプレスリリースには記載がなく、公式サイトで確認したもの)。プレスリリースの「7章」と公式サイトの「6項目」がなぜ食い違うのかについて、今回確認した公式サイトのページとプレスリリースには説明が見当たらなかった
  • PEP検定の受験料は、2026年9月25日に公式サイト(prompt.or.jp/pep)で確認したところ**11,000円(税込・cbt-s.comのCBT試験申込ページ経由)**だった。以前の調査時点ではJavaScriptで描画されるページ本文が取得できず不明としていたが、今回はページのHTMLに試験概要の表(「受験費用 11,000円 ※税込価格」)と構造化データ(Course/Offer情報)が含まれており、確認できた。試験時間60分・問題数100問・合格基準は正答率70%以上という情報も同時に確認できた。合格率・平均点は、今回確認した範囲の公式資料(プレスリリース5本・公式サイトのPEP検定ページとそのFAQ・シラバス解説・勉強法と受験の流れ・資格の比較の各ページ)には記載が見当たらなかった。受験料が同水準の他の生成AI資格については生成AIパスポートとは(GUGA運営・同じく11,000円)を参照
  • 「生成系AI検定」など類似名称の別資格・別団体との関係性(提携の有無、競合関係かどうか)は確認していない
  • 「日経トレンディ」への掲載については、2025年12月18日付(2026年1月号・代表理事個人の寄稿)と2026年4月15日付(2026年5月号・PEP検定自体の掲載)の2本を新たに確認し、号数・内容とも特定できた
  • 2026年5月号の掲載記事でPEP検定が「日本初のプロンプトエンジニアリング認定試験」と自称している点について、この主張を裏付ける比較調査・先行資格の有無の調査は、JSPE自身のプレスリリースにも本稿にもない

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出典・参照資料

更新・訂正履歴

  • 年表の日付を訂正。最終行を「2026年4月15日|日経トレンディ掲載/ユーザー登録1,000人突破(同日付で2本)」としていたが、PR TIMESのJSON-LD datePublished を確認すると、日経トレンディ掲載の発行日は2026-04-15、1,000人突破の発行日は2026-04-16で1日ずれていた(本文の別段落では正しく「4月16日付」と書いており、記事内で不一致だった)。1,000人突破のリリース本文が「4月15日時点で」と書いているための取り違えとみられる。年表を2行に分け、発行日と『〜時点』を区別した。
  • 開始時点のシラバスを「6分野」とし、最後の2項目を1行にまとめていたが、2025年4月23日付プレスリリースの「PEP検定のシラバス(主な内容)」は「生成AIモデルのカスタマイズ手法」と「倫理・リスク管理・法律上の考慮事項」を別の項目とする7項目の番号付きリストだった。公式サイト(prompt.or.jp/pep)の旧・新シラバス比較表も旧シラバスを7項目としている。7項目に訂正した。
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