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Claude Managed AgentsのDreamsに「元のメモリストアを上書き」する選択肢が追加された(ドキュメントは未反映)

Anthropic Python SDK v0.122.0(2026年8月13日)に、記憶を整理し直す「Dreams」機能へoutput_behaviorパラメータを追加したという1行がある。新規メモリストアを作るか、入力ストアをその場で上書きするかを選べる仕組みだが、公式ドキュメントの説明文は本記事執筆時点でもなお「入力ストアは変更されない」と明記したままだった。

Claude Managed AgentsのDreamsに「元のメモリストアを上書き」する選択肢が追加された(ドキュメントは未反映)
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Claude Managed Agentsには、複数セッションの記憶を読み込んで重複や矛盾を整理し直す「Dreams」というリサーチプレビュー機能がある。その挙動を変えるパラメータが、AnthropicのPython SDK v0.122.0(2026年8月13日公開)で追加されたことをGitHubのリリースノートで確認した。

api: add output_behavior to dream creation (create a new memory store or update the input store in place)

(APIにdream作成用のoutput_behaviorを追加:新規メモリストアを作成するか、入力ストアをその場で更新するかを選べる)

3行まとめ

  • anthropic-sdk-python v0.122.0(2026年8月13日公開、コミット自体は8月10日)で、Dreams作成APIにoutput_behaviorパラメータが追加された
  • 値は{"type": "create_new"}(デフォルト、従来通り新規ストアを作成)と{"type": "update_existing", "memory_store_id": "..."}(既存ストアをその場で更新)の2択で、コミット差分のdocstringで確認できた
  • 公式ドキュメント「Dreams」ページも、8月7日〜19日の公式リリースノートも、本記事の確認時点(2026年8月29日)でこのパラメータに一切言及していない

現行ドキュメントとの食い違い

公式ドキュメント「Managed Agents / Dreams」(platform.claude.com/docs/en/managed-agents/dreams)を確認すると、Dreamsの仕組みはこう説明されている。

Dreams let Claude clean that up. A dream reads an existing memory store alongside past session transcripts, then produces a new, reorganized memory store: duplicates merged, stale or contradicted entries replaced with the latest value, and new insights surfaced.

The input store is never modified, so you can review the output and discard it if you don't like the result.

(Dreamsはそれを整理する。dreamは既存のメモリストアと過去のセッション記録を読み込み、重複を統合し、古くなった項目や矛盾する項目を最新の値に置き換え、新しい気づきを浮かび上がらせた新しい整理済みメモリストアを生成する。入力ストアは決して変更されないので、出力結果を確認し、気に入らなければ破棄できる)

「入力ストアは決して変更されない(never modified)」という現行の説明は、まさにoutput_behaviorで新しく選べるようになったはずの「入力ストアをその場で更新する」動作と正面から矛盾する。2026年8月29日時点であらためてplatform.claude.comのDreamsページを確認したが、output_behaviorというパラメータ名も、この矛盾についての追記も見当たらなかった。SDKのリリースノートに機能追加が記録されているのに、一般公開ドキュメントのプロダクト説明がまだそれ以前の挙動を前提に書かれている、という状態が2週間以上続いている。

output_behaviorの実際の中身:コミット差分で確認できた

GitHubのリリースノートには1行しかなかったが、その元になったコミット(852c4bb、2026年8月10日付)の差分(anthropic-sdk-pythonリポジトリの.patch形式で取得)には、パラメータの型定義とdocstringが含まれていた。

"The default destination: the job creates a new output memory store as a clone of the memory_store input and writes the consolidated memories into it. The input store is never mutated."

(訳:デフォルトの出力先。ジョブはmemory_store入力の複製として新しい出力メモリストアを作成し、そこに統合済みの記憶を書き込む。入力ストアは決して変更されない)

これが{"type": "create_new"}の説明で、デフォルト値であることも明記されていた。もう一方の値はこう説明されている。

"The job writes the consolidated memories into this existing memory store instead of creating one. In EAP the store must be the job's own memory_store input, so the job consolidates the store in place."

(訳:ジョブは新規作成する代わりに、この既存のメモリストアに統合済みの記憶を書き込む。EAP(Early Access Preview)の時点では、このストアはジョブ自身のmemory_store入力と同一でなければならず、つまりジョブはそのストアをその場で統合することになる)

こちらが{"type": "update_existing", "memory_store_id": "..."}で、現時点(EAP)では「読み込み元とは別の任意のストアを上書き先に指定する」ことはできず、自分自身が読み込んだ入力ストアをその場で書き換えるという1パターンに限定されていることが、docstringの文言から確認できた。

output_behaviorの値 出力先 追加で必要なフィールド 入力ストアへの影響
{"type": "create_new"}(デフォルト) 入力ストアの複製として新規作成される出力ストア なし 変更されない
{"type": "update_existing"} 指定したメモリストア memory_store_id EAP時点では読み込み元の入力ストア自身のみ指定可。その場で書き換わる

出典: anthropic-sdk-pythonコミット852c4bbsrc/anthropic/types/beta/dream_create_params.pybeta_dream.py差分(2026年8月29日確認)

なお、テストコードの差分(tests/api_resources/beta/test_dreams.py)では実際の呼び出し例としてoutput_behavior={"type": "create_new"}が使われており、Python SDKでは辞書(TypedDict)としてこの2つの型のいずれかを渡す設計になっていることも確認できた。

公式リリースノートにも一度も載っていない

output_behaviorの追加はSDKのCHANGELOGには載ったが、Claude Developer Platformの公式リリースノート一覧ページ(platform.claude.com/docs/en/release-notes/overview)を2026年8月5日〜19日の範囲で確認したところ、この機能への言及は見つからなかった。同じ時期のManaged Agents関連の変更(8月7日:セッション予算・advisor・inference geo・GitHubからのSkills読み込み、8月1日:DreamsのOpus 5対応)はいずれもリリースノートに項目として掲載されている一方、output_behaviorだけは掲載されていない。SDKには機能が追加され、テストコードまで書かれているが、プロダクトのリリースノートにも、Dreamsのドキュメントページにも、この時点でまだ一度も出てきていない、という状態が確認できた。

上書きという選択肢が持つ意味

Dreamsが「入力ストアは変更しない」設計だったのは、ドキュメントの言葉を借りれば「出力結果を確認し、気に入らなければ破棄できる」という安全策のためだ。そこにupdate_existingという選択肢が加わったが、コミット差分のdocstringを見る限り、現時点(EAP)では「読み込んだのと同じストアをその場で書き換える」以外の使い方はできない設計になっている。つまり「他人の(あるいは別の)メモリストアを勝手に上書きする」ことはできず、あくまで「確認せずに自分の入力ストアを直接更新する」用途に絞られていると読める。レビューを挟まず継続的にメモリストアを自動整理し続けるような使い方を見据えた変更だと推測はできるが、これはコミット差分から読み取れる範囲の話であり、Anthropicがその意図を明言しているわけではない。

実際にDreams APIを呼んで検証したわけではない

本記事はPython SDKのリリースノート・コミット差分・公式Dreamsドキュメントページ・公式リリースノート一覧の4つを情報源としている。Dreamsはリサーチプレビュー機能でありアクセス申請が必要なため、この記事を書いている自分自身はoutput_behaviorパラメータを実際に指定してdreamを作成する検証を行っていない。ドキュメントとSDKの記述が食い違っている以上、実際にAPIを叩いた場合にupdate_existingを指定したリクエストが本当にコミット差分の説明通りに動くのか、あるいはドキュメント記載通り拒否されるのかは確認できていない。TypeScript SDK・Go SDK側でも同時期に同様の変更が入っているかどうかも、今回はPython SDKのみを確認したため未確認である。

関連記事: Claude Codeとは / AIエージェントとは──指示に答えるAIと、仕事を進めるAIの違いをわかりやすく整理する

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