2026年9月4日 金曜日
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個人開発でデザインをAIに任せた手順──アイコン・3Dモデルを自分で作らない選択

絵も3DCGも描けない状態から、ブラウザゲームのキャラクター15体をAI画像生成→image-to-3D→取り込みスクリプトの3段階で作った手順を、実際に使ったプロンプトとスクリプトつきで記録する。1体あたり5〜10分、15体で有料化した3D変換ツールの実費も出す。

個人開発でデザインをAIに任せた手順──アイコン・3Dモデルを自分で作らない選択
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個人開発でアプリやゲームを作るとき、コードはAIに書かせられても、キャラクターのビジュアルは自分で描くしかないと思っていた。実際には、そこもAIに任せる手順が組める。この記事は、筆者が自作のブラウザゲーム「百鬼夜行大合戦」でキャラクター15体を仕上げた実際の手順を、使ったプロンプトと自作スクリプトの中身つきで記録したものだ。絵も3DCGも描けない状態からの記録であり、「これでプロ品質になる」という話ではない。

3行まとめ

  1. キャラクターの絵はAI画像生成、3D化はimage-to-3Dツール、ゲームへの組み込みは自作の取り込みスクリプトという3段階に分けると、1体あたり5〜10分で回せた
  2. 3D化ツールは無料枠だと月数体分しかなく、15体全部をやるなら有料化が現実的だった。実際に払った金額を公開する
  3. AIが出したファイルをそのまま使うと名前がずれたり向きが崩れたりする。ここは自分の目で見て直す作業が必要だった(詰まった話は別記事にまとめている)

何を作ったか

「百鬼夜行大合戦」は、和風の妖怪を操作する自軍8体と、迎え撃つ武士側の敵軍7体、合わせて15体のキャラクターが登場するタワーディフェンス風のブラウザゲームだ。最初はコードだけの図形(プリミティブ)でキャラクターを表現していたが、見た目を立体的なモデルに差し替える工程を、以下の3段階に分けて進めた。

  1. AI画像生成でキャラクターの参照画像を作る
  2. image-to-3Dツールでその画像を3Dモデル(GLB形式)に変換する
  3. 自作の取り込みスクリプトでゲーム側のファイル名に自動リネームし、アイコンまで再生成する

手順1: 画風を統一するプロンプトを1つだけ作る

キャラクターを1体ずつ別々に発注すると、頭身やタッチがバラバラになる。そこで、共通プロンプトを1つ固定して、キャラクターごとの説明文だけを後ろに足す方式にした。実際に使ったプロンプトは次のものだ。

ゲームキャラクターの3Dモデル化用リファレンス画像を作って。

  • 1体だけ、全身、斜め前45度から見たフルショット
  • 背景は無地のライトグレー、影なし、地面なし
  • 画風: 和風ゆるかわ妖怪。丸みのある体型、太い墨色の輪郭線、フラットな伝統色(朱・藍・生成り・松葉色)、版画のような陰影少なめの塗り
  • ポーズはニュートラルな直立(手足が体に張り付きすぎないように少し開く)
  • 頭身は2〜2.5頭身、ディテールは少なめでシルエット重視

この後ろに、たとえば「鬼: 赤鬼。二本角、金棒、虎柄のふんどし、筋肉質だが丸い体型」のように、キャラクター固有の特徴を1行だけ足す。全身・無地背景・斜め45度という指定は、次の3D変換ステップで綺麗に立体化させるための条件で、ここを固定しておくと後工程の失敗が減る。

背景を無地にする理由は単純で、image-to-3Dツールは画像から奥行きを推測するため、背景に模様や別の物体が写り込むと、それも一緒に立体化しようとして形が崩れる。全身をフレームに収めるのも同じ理由で、体の一部が切れていると3D化した時にそこだけ欠損する。

手順2: image-to-3Dツールで立体化する

画像ができたら、それをimage-to-3Dツールに入れる。使ったのはTripo AIとMeshy AIの2つで、どちらも無料枠があるため、まず両方に同じ画像を通して出来が良い方を採用する運用にした。2つのツールの機能・料金を横並びで比較したい場合はテキストから3Dモデル生成 Tripo/Meshy/Point-E比較にまとめているので、ここではツール選定の基準ではなく、選んだ後の自動化パイプライン側を書く。エクスポート形式はGLB、ポリゴン数はローポリ設定があれば1万ポリ以下を選ぶ。理由は、このゲームは同時に50体近いキャラクターを画面に表示するため、1体が重いとフレームレートが落ちるからだ。

ここは実際にやってみて2つ、事前には想定していなかったことがあった。

1つ目は無料枠の枯渇だ。Tripoの無料枠は月数体分しかなく、15体を1世代で揃えようとすると足りなかった。世代が混ざると画風が微妙に割れるため、結局Tripoの有料プラン(初月割引で¥1,600、翌月から¥3,200に自動更新)に切り替えて15体をまとめて出し直した。個人開発でここに課金するかどうかは、キャラクター数と「画風を揃えたいか」次第だと思う。数体だけなら無料枠の中で収まる。

2つ目はローポリ設定を毎回明示的に選ぶ必要があったことで、これを忘れて出力したモデルが後で問題を起こした話は、詰まった記録の方の記事に書いている。

両ツールの料金体系を、実際にそれぞれの料金ページを取得して確認した(2026年8月時点)。

Free 中位プラン 上位プラン
Tripo AI $0・月200クレジット(約13モデル分)・商用利用不可 Pro $19.90/月(年払い、年額$238.80)・月3,000クレジット(約200モデル分)・商用利用可 Max $89.90/月(年払い、年額$1,078.80)・月25,000クレジット(約1,660モデル分)
Meshy AI $0・月100クレジット・出力はCC BY 4.0(クレジット表記条件で商用利用可) Pro $20/月(年払いで年額$240)・月1,000クレジット・生成速度60%向上・API利用可 Ultra $100/月、Studio $70/月(追加メンバー1人+$10/月)

この表で確認できた重要な違いは、**Tripoの無料枠は明確に「非商用利用のみ」**と規約に書かれている点だ。Meshyの無料枠は逆に「CC BY 4.0でクレジット表記をすれば商用利用も可」としており、同じ「無料枠」でも2社で扱いが違う。本文で「無料枠で生成したものの商用可否は別途規約で確認する必要がある」と書いたのは、この違いを踏まえてのことだ。筆者が実際に契約したのはTripoのProプラン(初月割引で¥1,600、翌月から¥3,200)で、上記の$19.90/月(年払い)という表示価格とは請求のタイミングや為替・キャンペーンの適用が異なるため、単純比較はできない。

手順3: 取り込みを自動化する

image-to-3DツールからダウンロードしたGLBファイルは、そのままではゲームで使えない。ゲーム側は assets/models/oni.glb のようにキャラクターのkey名でファイルを探しに行く仕組みなので、ダウンロードしたogre_red_demon_01.glbのようなファイルを手作業でリネームするのは、15体分繰り返すと地味に手間だった。

そこでPythonスクリプトを書いて、ダウンロードフォルダに置いたGLBファイル(zipで一括ダウンロードされた場合は展開も自動でやる)のファイル名を見て、対応するキャラクターのkeyを推測し、正しい場所に配置するようにした。ファイル名に日本語のkey(oniなど)が直接入っていないことが多いため、Tripo側が英語でつける説明的なファイル名(ogredemonlanternなど)とkeyの対応表を持たせている。

ALIASES = {
    'lantern':'chochin', 'chouchin':'chochin',
    'tengu':'karasu', 'crow':'karasu', 'raven':'karasu',
    ...
    'ogre':'oni', 'demon':'oni', 'red+oni':'oni',
    'ogre+monk':'nyudo', 'giant+monk':'nyudo', 'monk+giant':'nyudo',
    ...
}

配置が終わると、スクリプトは続けてアイコン生成のスクリプトを自動で呼び出す。こちらはPlaywrightでゲーム画面をヘッドレスブラウザで開き、各キャラクターのモデルをレンダリングしてスクリーンショットとして切り出す仕組みで、15体ぶんのアイコンを手で1枚ずつ書き出す作業をなくした。GLBの読み込みは非同期なので、スクリプト側は「全キャラクターのモデルが読み込み成功か失敗かのどちらかに決着する」までポーリングして待つ作りにしている。

一連の処理を通すと、画像生成からゲームに新しいキャラクターが反映されるまでが「GLBファイルをダウンロードフォルダに置いてスクリプトを1回実行する」だけになった。実測では1体あたり、画像生成・3D変換の待ち時間を含めても5〜10分で終わっている。

目視検品は省略できなかった

自動化した後も、配置が終わった時点でアイコンを目で見て確認する工程は残した。取り込みスクリプトは英語のファイル名からkeyを推測しているだけなので、似た単語のキャラクターを取り違えることがある。これは実際に何度か起きていて、その具体的な中身と直し方は別記事「個人開発でAIとゲームを作って詰まったところ」にまとめた。ここでは「自動化した工程でも、最後の1回は自分の目で確認する」というルールだけ書いておく。3D化ワークフローのメモにも、当時の自分への注意書きとしてこう残していた。

image-to-3Dは背面と細部が崩れることがある(単視点復元の宿命)。見下ろしカメラで小さく映る本作では目立ちにくいが、ボス級(侍大将/怨霊/大入道)は大きく映るので出来をよく見る

商用利用できるかはツールの規約次第

個人開発でも、公開する以上は商用利用の扱いを確認する必要がある。Tripo・Meshyともに、有料プランでの生成物は商用利用が明確に許諾されているが、無料枠で生成したものの商用可否は別途規約で確認する必要があり、ここは「AIが作ったから自由に使える」わけではない。同じゲームで使った効果音素材でも、配布元の規約を1つずつ確認する作業をしていて、たとえば効果音ラボの場合、商用利用は無料でクレジット表記も任意、効果音をアプリの操作音として組み込むこと自体は同サイトが定義する「再配布」には当たらないと明記されている一方、素材そのものの再配布・効果音を紹介する動画の作成・AI学習用データとしての利用・効果音を使った楽曲のYouTube Content ID登録は禁止されている。AI生成物と既存の配布素材で確認する項目は違うが、「使う前に規約を確認する」という手順自体は共通している。この著作権まわりの考え方は、個人開発でAI生成コード・画像の著作権をどう考えるかでもう少し掘り下げている。

このやり方が向かない場面、確かめていないこと

このワークフローは「頭身を落とした簡略化されたキャラクターを量産する」用途に寄っている。プロンプトで頭身やディテールの少なさを指定しているのはそのためで、写実的なキャラクターやオリジナリティの強いデザインを求める場合は、image-to-3Dの単視点復元の精度がそのまま品質の天井になる。また、Blenderでキャラクターをスクリプトから直接組み立てる方法も並行して試したが、image-to-3D経由の方が同じ時間で多くのキャラクターを仕上げられたため、今回はそちらを採用した。どちらが向くかはキャラクター数とディテールへのこだわり次第で、ここは一概には言えない。

この記事で確かめていない点も書いておく。まず、この手順は1人のゲーム(15体・タワーディフェンス風)での実測であり、キャラクター数がもっと多いプロジェクトや、リアルタイムでポーズが大きく変わるアクションゲームのような用途で同じ手順が通用するかは試していない。次に、TripoとMeshyの料金・クレジット消費量は変わりやすく、上の表は2026年8月時点でそれぞれの料金ページを取得して確認した数字であって、記事を読んでいる時点の価格と一致する保証はない。最後に、この記事はTripo・Meshyの2社しか比較していない。他のimage-to-3Dサービスとの比較は行っていない。

未経験からClaude Codeでゲームを公開するまでの手順全体は、Claude Codeで初心者がゲームを作る手順で別に整理している。デザイン面だけでなくコード面も含めた全体の流れを知りたい場合はそちらを参照してほしい。

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